コラム:心 が落ち着かないのは、「平らな道」ばかり歩く生活が原因?!

最近、裸足で土や芝生の上を歩いたことはありますか?「いつが最後だったか覚えていない…」という方も多いのではないでしょうか。

夏は海や公園など、自然に触れる機会が増える季節。しかし実際には、暑さを避けて屋内で過ごす時間も多く、アスファルトやフローリングなど、平らで硬い床を歩く毎日になってはいないませんか。

今回は、この「平らな道ばかりを歩く生活」が身体や心にどう影響しているのかを考えてみます。

足裏は、情報を脳に届けるセンサー

足裏には、地面の硬さや傾き、凹凸などを感じ取る細かなセンサーが集まっています。足裏からの情報は脳へ送られ、姿勢やバランスを保つ大切な情報として役立てられます。

立っている時も歩いている時も、私たちは足裏から得られる情報をもとに、無意識のうちに姿勢や重心を細かく調整しています。その働きによって、身体は安定したバランスを保ちながら動くことができています。

一方で、アスファルトやフローリングのような平らで均一な場所ばかりで過ごしていると、足裏への刺激は単調になります。その結果、足裏のセンサーが受け取る情報も限られてしまいます。

足裏の情報不足が、脳幹の働きに影響する?!

足裏から届く情報が少なくなると、身体はバランスを保ちにくくなります。その結果、首や肩、腰まわりの筋肉に余計な力が入りやすくなり、こうした状態が続くと、脳幹の働きにも影響しやすくなると考えられています。

身体の安定 = 脳幹の安定

身体の安定は、脳幹が働きやすい状態につながります。こうした身体の土台が整うことで、姿勢や呼吸、自律神経などに関わる脳幹も、本来の働きを発揮しやすくなると考えられています。

「脳幹」とは身体と脳をつなぐ「命の司令塔」

では、その脳幹は身体の中でどのような役割を担っているのでしょうか。

脳幹は、呼吸や心拍、体温調節、睡眠など、生きるために欠かせない働きをコントロールする重要な場所です。また、自律神経をコントロールする中心的な役割も担っています。

そして、脳幹は身体から届くさまざまな情報を常に受け取っています。

・足裏……地面との接地情報
・首……頭の位置情報
・背骨……姿勢の情報
・呼吸……自律神経の状態
・筋肉……緊張や脱力の状態

こうした情報をもとに、脳幹は常に身体の状態を把握しています。身体の土台が不安定だと、身体を守ろうとする反応が起こりやすくなります。一方で、土台が安定していると、「今は安全」と判断しやすくなり、リラックスしやすくなります。

 

安心感は「身体」から

意識が自分の外側(スマホ・他人の評価・SNSの情報など)にばかり向いていたり、自分の本心や身体の感覚から離れ、思考が優位になりすぎると、自律神経も乱れやすくなり、安心感を得にくくなります。

無意識の緊張が続いているとき、「リラックスしましょう」「安心していいですよ」と言われてもなかなか力を抜くことはできません。安心感は、気持ちでどうにかなるものではないのです。

日常でできる小さな変化

☑公園の土や芝生の上を裸足で歩いてみる
☑室内でタオルを丸めたものや凸凹の上に立ってみる
☑足指を意識して動かす時間を作る

大切なのは、足裏に「変化のある刺激」を取り戻すことです。特別な道具や場所がなくても、日常の中で少し意識するだけで始められます。

夏に限らず、「なんとなく心がざわつく」「気分が落ち着かない」と感じるとき、足元から身体を見直してみることも一つの方法です。日々の小さな積み重ねが、姿勢や自律神経を整えるきっかけになるかもしれません。

当院では、足裏の感覚や姿勢、呼吸など、身体の土台から整え、自律神経が本来の働きを発揮しやすい身体づくりを大切にしています。身体から安心を育むきっかけになれば幸いです。